
- 期日
平成19年8月17日(金)〜19日(日)
- 参加支部・人数
福岡 大阪 兵庫 鳥取 広島 愛媛 徳島 和歌山 岡山 京都 山口 島根 奈良 計113名
- 会場
日本原子力研究開発機構 関西光科学研究所
公立学校共済組合 奈良宿泊所 春日野荘
- 研究主題
理科におけるPISA型学力を育てる指導法の研究
8月17日(金)【関西光科学研究所】
13:30〜14:00 開会行事
14:00〜14:30 平成18年度西日本ブロック研修会報告(広島・山口支部)
基調提案(奈良支部) PISA型学力を育てる指導法
◆子どもの学習から
私たち奈良支部は、日常生活から出発する子ども主体の問題解決学習をめざして理科の実践研究を重ねてきた。
一方、OECDが実施したPISA調査2003によって、我が国の子どものPISA型読解力の低下が明らかにされた。
今回、私たちはPISA型学力とは何かを整理する作業を通して、理科の問題解決学習における子どもに不足している力と一致することが見えてきた。
すなわち、
- 自分たちで観察や実験を計画し、自然の事物や現象から引き出した事実や数値データを、文章、スケッチ、関係性を示す図、表、グラフなどに表現する力が弱いこと。
- 図鑑や科学図書など資料(テキスト)に記述されている内容を読み取ること、表やグラフなど(非連続型テキスト)を解釈する力が弱いこと。
- 問題解決の過程で、予想や仮説と観察・実験から得られたデータを結び付け、判断と根拠を明確にしながら他者に説明したり文章で論じたりする力が弱いこと。
である。
◆教師の指導から
私たちは、子どもに、観察や実験を通して子どもが獲得した事実や数値データを、“結果”や“わかったこと”として表すことを求め、それらを生かして自分の考えをつくる問題解決の過程“考察”を疎かにしていなかっただろうか。
問題に対する予想や仮説を立て、それらに基づく観察や実験を計画していく問題解決の過程を疎かにしていなかっただろうか。
理科学習を通して獲得した科学的な知識や技能、科学的なものの見方や考え方、科学的な問題解決の方法を生活に生かすことを強く意識して指導に当たってきたであろうか。
私たちは、これらについて反省すべき点があることを認めざるをえない。
そこで、私たちは、理科におけるPISA型学力、すなわち、子ども主体の理科の問題解決学習に必要な力を、
日常生活で生起する自然事象について、操作的な手続きを経て集めた事実を他者に説明できるように整理したり論理的に読み解いたりすることができる力
と捉えた。
その上で理科におけるPISA型学力を育てる視点として、1.読解力 2.表現力 3.論理をつくる力の3つを挙げ、その指導法の研究を進めていきたいと考え、本研究主題を設定した。
【学年別分科会の研究の方向】
| 学年 |
単元名 |
研究の方向 |
| 生活科 |
おもちゃランドをひらこう |
生活科に於けるPISA型学力の育成を図るためには、子どもたちの生活から題材を見つけ、子どもたちの思いを大切に活動を構想し、ねらいに沿って子どもたちに働きかけ、身の回りの環境への認識やかかわり方の変容を促していくことが大切であると考える。実際の事例をもとにこれらを具体化する方策を考えてみたい。 |
| 3年 |
こん虫を育てよう |
第2分野(生物・地学領域)の単元を取り上げる。そして、1.表を使って観察の観点をつくり、広げる、2.ジャンボ観察カードで個の観察データを共有する、3.断続的な観察記録を、ジャンボ観察カードの並び替えによって時系列に沿ったレポートや新聞にまとめる、4.「かたしき」を用いて観察事実に基づく考えをつくる、これらの視点から指導法の具体について議論してきたい。 |
| 4年 |
もののあたたまり方 |
本単元では、PISA型学力を育てる指導の手立ての一つとして、積極的に表を活用することを考えている。表にすることで子ども自身がデータを整理して自分の考えをもちやすくできるのか。さらに、話し合いを通して得られた情報を表に加えることで自分の考えをより科学的なものに高めることができるのかを検討していく。 |
| 5年 |
植物の発芽と成長 |
PISA型学力を育てるためには、教室を教師が「教える場」から子ども同士が「学び合う場」へと転換する必要を感じている。「学び合う場」とは子どもたちのどのような姿で、そのためにどのような力をつける必要があるのかを「植物の発芽と成長」を通して提案したい。具体的には、想定外の結果に対して子どもたちがそれをどう読み解き、自分の結果とどうかかわらせることが出来るかを検討していきたい。 |
| 6年 |
ものが燃えるとき |
これまでの指導法をふまえ、PISA型学力を高めるための手立てとして、1.子どもに観察や実験の視点を持たせ、見通しを持った問題解決ができるよう、“比較の観点”と“観察の項目”を明確にした「結果を書く表」を作ること、2.観察や実験から自分の考えを作る学習過程(考察)を段階的に指導すること、を中心に検討し研究を進めてきた。実践例を交えて議論しながらさらに深めていきたい。 |
14:30〜15:30 ご講話
広島大学大学院教授 角屋重樹先生(前文部科学省教科調査官)
- PISA型学力とPISA型読解力とでは大きな違いがある。PISA型読解力に「クリティカル・シンキング」という考え方を導入して初めてPISA型学力という定義になる。これは大きな思想革命であると同時に学力革命である。これはまた,子どもと教師の学力の関係の再構築を意味することでもある。いずれにせよ,これは新たな研究の方向であるといえる。
本研修の趣旨(3つの視点)
- 単元全体を取りあげて考えるのではなく,問題解決過程の1サイクルを取り上げて,学習指導のあり方を考える。
- 今までの問題解決とどこがどう違うのか。それを見直す際に,一つの技法として「かたしき」に着目して考える。
- 教師の働きかけを見直す。今までの働きかけはやや粗かった。もう少し丁寧な教師の働きかけとは何かを考える。
- (1)情報の取り出し (2)解釈 (3)熟考・評価の3つの過程で考えるとよい。
15:45〜16:30 学年別研修1.
【春日野荘】
18:30〜20:30 夕食
21:00〜 学年別研修2.(生活科、3,4,5,6年)
研修企画会議 事務局会議
奈良支部からの提案、基調提案、角屋先生の話を受け、問題解決の1サイクルの指導を検討。
8月18日(土)【関西光科学研究所】
9:00〜12:00 学年別研修3.
13:00〜14:30 学年別研修4.
14:30〜15:45 学年別中間報告
15:45〜16:00 研修企画会議
16:00〜16:30 きっづ光科学館「ふぉとん」見学
【春日野荘】
19:30〜20:00 海外研修報告 SSTA山口支部 磯部 祥生先生
Project Zero2007 理解のための教育 TfUに基づく指導計画について報告。
20:00〜20:30 研修企画会議
20:30〜 学年別研修5.
「情報の取り出し」過程を中心に問題解決の1サイクルの指導案を作成。
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